片岡さんの場合

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「僕、56歳ごろから、ずっとまともなセックスをしてなかったんだよね。セックスそのものが面倒くさくってね。しても、その結果どう気持ちいいか解ってるし、他人のことを「一生懸命やりたがらなくても、別にいいのにな」って思ってたんです。僕、普通の男性みたいなケダモノ的発想が、何もないんですよ」

地方に住む片岡さんは、半年以上前に通販で買った50ミリグラムのバイアグラを、最初は使おうという気にはならなかったのだそう。

片岡さんはかなりおしゃれな男性で、優しい口調で話すことから、かなりモテるタイプだなと私は思いました。なのに、あまりセックスに興味がないといいます。

「そりゃ、僕だって以前毎日のよう貪っていた相手もいたし、散々遊びもしましたよ。でも精神的なストレスと、その二と自体の快感を求めなくなったら、もう10年以上も興味がなくなっちゃって…」

 

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43歳になる奥さんと結婚して20年になりますが、10年以上セックスをしていないといいます。娘さんとー緒に美容関係の仕事をしている片岡さんは、本社の近くにセカンドルームを借り、週5日以上はそこで寝泊りをしています。

「女房は僕のこと、どっかで適当に発散してるとでも思ってるんでしよう。でも今は、僕がセックスに興味も関心もないことをよく知ってますしね。

女房も、そういうことにまったく闃心がないんです。ところが、久しぶりに「この子なら、セックスしてもいいかな?」と思える女性に出逢った。それでバイアグラがあったことを思い出したんです」

片岡さんの横には。背筋をピンと伸ばして、佐藤さんが座っています。スーパーモデル風のきれいなアーチ形の眉に、切れ長の大きな目をした、とても魅力的な女性。

 

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アルバイトでクラブのホステスをしている佐藤さんは、常連客主催のゴルフコンペに参加し、そこで主催者の友人である片岡さんと出逢ったのだそうです。

私がインタビューで出会ったのは、2人がつきあい始めてから、ちょうど1ヶ月後のことだったといいます。口数の少ない佐藤さんをフォローして、片岡さんが流れるように喋り統けます。

「僕たち、つきあうようになったわけでしょ?そしたら、セックスしないのも失礼だと思っちゃってね。だって、しなかったら『えー?』って思うじゃない。

白分が彼女としたいという気持になれたことも確かだけど、エチケット的な気持ちもあってね。で、するからには、『できなくて』がっかりさせたら失礼だし…というわけで、バイアグラのことが頭に浮かんだわけです。」

「確かに、40代になってから元気がなくなってきたけど、『バイアグラ飲んで、本当に僕にも効くのかな?って不安もあったし、「心臓が弱いから、大丈夫かな?』て心配もありました。

 

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でも、初めての日に、彼女に内緒で飲んじゃったんだよね」

すると、約40分ぐらいでバイアグラの効果が現れ始めたといいます。まず体が熱くなってきたそうで、それから片岡さんがトイレに行って、性器に触ったとたん、硬度を増して脈打ち始め、「ビンビン」になったといいます。

それは、指1本をまっすぐに伸ばし、思いっきり力を込めたときの状態に似ていて、20代のパワーを持っていたそうです。

「すごい薬ができたなと思いましたよ。ほかのことを考えていても、元気なんですから」と、片岡さんが力説しこう続けます。「できることなら、バイアグラを使いたくないとは思っているんです。でも使わなくては、相手を満足させることができない。

 

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だからバイアグラを使うんです。でも普通は効いたら、皆大喜びするじゃないですか。僕の場合うれしくないんですよ。そういうものに対して、あまり感激がないから。ただ、僕は彼女に満足を与えることができるんじゃないかと思って飲んだんです」

そして、私はバイアグラを使ってのエッチの成果を尋ねてみました。すると片岡さんは「十分喜ばせることができたと思ってますよ。僕としてはね」と即答。ところで、片岡さんがバイアグラを飲んだことを佐藤さんに暴露したのは、初エッチから2日後のことでした。

佐藤さんは、「嘘でしょ?ねえ、嘘でしょ?」と、何度も尋ねて確認をしたといいます。「初めての時は、飲んでても飲まなくても判らないから、『こういうもの』と思うじゃないですか。

でも、飲まないでいてくれたほうが、私としては気持ち的にいいかな?って思ったんです。2回目のとき、飲まないでしたんですけど、あんまり変わらなかったんじゃないかな?彼は変わるって言うけど、私はあんまり…」

佐藤さんは、けだるそうな甘い声を出し色白の顔を傾けました。ポニーテールのよく似合う、見るたび、惚れ惚れするような、きれいな女性。片岡さんが、久しぶりに、したくなった気持ちが、私にもよく理解できます。

 

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「飲むと、持続力も長くなってね。だけどイカなくちゃいけない。この年になると、疲れるから、できることなら、イカないまま終わりたいんです。

そうすると女の人は、何か意味があるんじゃないかと、勘ぐったり、淋しがったりしますよね。僕は、女性が歓んでくれれば十分であって、イクことはどうでもいいのに。でも、女の人はそれじゃあ満足しない。だから、ばいあぐらを飲んで、がむしゃらにイコうとするわけです。」

「ところが、固くなって、感覚が鈍るでしよう?『おかしいな、気に入ってる相手なのに、なんでイカないんだろう』って、僕も頭で感じちゃうほうだから、考えちゃって疲れるの。

それに、がむしゃらにいつまでもやってたら、相手にひもじく思われるでしょ?僕がイクようになるのは、すごい努力しなくちゃいけないんです。でも、あれってあとですごい胸焼けするから、胃薬を一緒に飲まないとダメだね。
それに、彼女の場合は心臓がすごかったよね」

 

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片岡さんは途切れることなく言ってから、佐藤さんのほうを見て、何か私に言うように目だけで促しました。佐藤さんは、長いまつ毛をゆっくりと上下させ、緊張した面持ちで重そうな口を開いて言いました。

「私としてはもう、飲まなくてもいいと思うんだけど…」2人が、100ミリグラムのバイアグラを半分ずつ飲んだのは、3回目のエッチのとき。取材の日から、4日前のことでした。

「飲もうよ」と片岡さんに言われ、興味を持っていた佐藤さんは、抵抗なくー緒に飲んだのだそう。ところが、20分ぐらいして、体が熱くなったかと思うと、突然心臓がドキドキと躍り出したといいます。まるで心臓が飛び出るような勢いだったと。

「爆動状態っていうの?心臓の音がするのが、自分でもよく判ったんです。怖いですよね。心臓がグッと緊張するんです。動脈がポーンと、膨れ上がっているってカンジ。ほんと怖かった。

 

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このまま死ぬんじゃないかと、不安で不安で…」「心臓の音聴くと、大きかったんで、ちょっとやべぇんじゃないかって、僕のほうも心配になってきてね。『救急車、待機させといたほうがいいかな?』って、焦ったよ。お酒も少し入ってたし、シャワーと薬の3つが、相秉効果で心臓を躍らせちゃったんだね。大丈夫かな?って不安になってきたよ」

それから、片岡さんは佐藤さんとセックスをしたそうです。佐藤さんが飲んでからー時間後、まさに爆動のピークのときにしたといいます。「怖かったよ。僕も少し心配で…」

それならば、セックスをしなきゃいいのにと私は思うのですが…。つきあってまだ1ヶ月では佐藤さんも「やめて」と、拒否できなかったのかもしれません。

 

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「2時間ぐらいで、心臓のあおりは消えてくれたから安心したけど、していても精神的にのらないんですね。終わってから、シャワーを浴びたら、また心臓が躍り出して…。私はもう飲みたくないし、彼もできれば使わずにしてほしいですね」佐藤さんは、遠慮がちに言いました。すぐに、片岡さんが、元気な口調でこう続けます。

「でも、男としては複雑な心境なんですよ。女の人ってどっかで(セックスに)期待する部分があると思うんですね。精神的にも肉体的にも、満足させてくれたらうれしいなって。

見かけがまあまあで付き合ってみても、まあまあだけど、やったら、『なに?この男。つまんない』ではね。それに、今後は元気がないたびに、『元気のないのは、薬を飲んでないから】と思ってくれたらいいんですが、『この人、愛情が冷めちゃったんじゃないかな?』というふうに思われたくないでしょ。だから、男としては虚勢を張りたいんです」

 

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男自身に元気がなければ、相手が女としての愛情や、自信を失ってしまいかねません。若かったころは、まったく心配いらなかったことを、今、片岡さんたちは誤解を防ぐために、気遣いしなくてはならないのかもしれません。片岡さんが、そのように神経質に考えるのも無理もありませんでした。

実は、バイアグラを飲まなかった2回目のセックスのとき、ひと苦労があったからだそう。

「やっぱり元気がなかったんです。バイアグラを飲んだあとの2回目だっただけに、しながら『元気がないことを』冷静に考えちゃいましたよ。

 

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だから、彼女の中に入ってからは、『とにかく一生懸命、何も考えないようにしよう』『彼女の魅力だけ考えるようにしよう』と、頑張ったんです。でも、それを考えること自体元気がなくなってくるわけですよね」

片岡さんは、飲み物に口をつけてからわざと明るく笑いました。佐藤さんは、ニコリともせずにこう続けます。「何度も『必要ないんじゃない?』って私は言ったんだけど、彼は『やっぱりダメだ』と言うんです。

私としてはもう、飲まなくていいと思うんだけど…」すかさず片岡さんが、「でも、僕はその言葉をストレートに、そのまま取れないんだよ。

 

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彼女が優しさで言ってるんじゃないかって思うわけ。彼女自身が、僕と同じように体よりもハートで感じる夕イプだからね」

片岡さんはさらに話を続け、「元気のない状態が、2〜3回続いたときに、彼女を見てりゃ判りますよ。満足してるか、どうか。それで、きっと僕は黙って飲むだろうね。

『今日どうしたの?』って彼女に聞かれたら、『飲んだんだよ』って答えると思うんです。今はバイアグラが一種の愛情表現になってくれるんじゃないかって思ってるんです。活性効果という意味で、時々愛用してあげたらいいんじゃないかってね」